ONEPIECE FILM RED【感想】

ONEPIECE FILM REDを見てきたので感想を書き留めておこうと思います。感想はFilmarksにも同文を記載しています。原作は既読、FILMシリーズはGOLD以外視聴済みです。

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本編感想

ONE PIECE FILMシリーズ4作目。シャンクスとその娘、ウタの物語でした。ウタの声優は名塚さんで、初見ではイメージとはかなり違い驚いたが、映画をみていくうちに、そのキャラクター性も相まって、違和感はすぐになくなった。気になったのは歌唱パートを担当するAdoさんで、かっこいい歌声はいいが、あまりウタとマッチしている様には思えなかった。映画全体で歌唱シーンが多く、AdoのPVという印象を受けた。ONR PIECEがAdoの人気に乗っかろうとする姿は見たくなかった。
映画はウタのライブシーンから始まった。ウソップやチョッパーが「オタクしぐさ」をしていたり、ルフィ達や厄介な人たちがステージに上がっていったりと、ライブ参加を趣味とするオタクとしては、なかなか苦しいものがあった。更に序盤では、ルフィとウタの馴れ初め、能力の説明、ライブシーンと、話の展開が少なく、場面の移り変わりが少なかったので退屈だった。
ウタウタの実の能力もかなり強力で、パラレルである映画だからこそ出せた能力だと感じた。ホビホビのような初見殺し性能、オトオトの上位互換の強さが、本人の死の覚悟と、ウタの魅力が相まって、世界の7割の人間を眠らせるという作中最大のピンチに陥っていた。規模が大きすぎる設定を飲み込むことが出来ないまま進んでいってしまった。しかし、公開前にVtuberとして短い動画を出していた点など、現実とリンクしていたのは良かった。最初は不思議に思っていた部分、例えば、ルフィらやオーブンなどの強力なキャラクターをなぜ簡単に捕縛できたのか、チャルロス聖のシャボンを割ったときなぜガラスのような演出だったのかなど、能力が明かされることで解決する細かな演出は良かった。
悪魔のキャラデザは尾田先生らしくないと感じた。ごちゃごちゃしすぎていて、映画のラスボスとして仕方がないのかもしれないが、その見た目から感じられる強さや恐怖は一切なかった。戦闘は映画Ver.ということでなぜかみんな浮いていて、また二つの世界を描くことでカット割りも多く、あまり満足度は高くなかった。それでも原作で難しい立ち位置のギア5を最後に少し見せたのは、いい落としどころだったと感じた。今回の目玉として取り上げられていた赤髪海賊団は、これまでに比べて戦闘シーンこそ多いものの、映画の主役といえるほどの活躍はなかった。ロジャーやレイリー、シャンクスの非能力者のかっこよさとは、どっしり構えていて動き回らずとも、覇気だけで強者とやりあう部分だと思っていたので、飛び回って刀を振り回すシャンクスはかっこいいとは思えなかった。それでも、一話から登場していたラッキー・ルゥや、ハウリング・ガブの特殊な戦闘方法を見られたのは良かった。戦闘描写で言えば、過去作に比べて少ないように感じた。ルフィ以外の麦わらの一味は書庫での戦闘があったが、その敵もよくわからず、ロビンが謎を解く時間稼ぎなのに派手に書庫を破壊したり、天井に火をつけたりと、目的と行動が一致しておらず、更には本という歴史の詰まった大切なものを無下に扱うという、ロビンが一番嫌う行いを一味全員でしており、いい気はしなかった。最後の戦闘もメンバーが多いため、必殺技出して終わりというノルマ的に扱われ、あまりいい印象を受けなかった。
細かいことで気になったことといえば、ウタの活動がここ二年間で行われていたということ。ここ2年というと、ルフィはエースを失い、女ヶ島でレイリーに修行を付けてもらっていた期間。その期間にチョッパーやウソップ、サンジが歌い手にかまけていたと思うと少し残念な気持ちになった。その点、一切興味を持っていなかったゾロの好感度はかなり上がった。
全体として、あまり評価はできない映画だった。尾田先生監修ということではあったが、原作と矛盾しないというだけで、尾田先生が監修しているから面白いという訳ではないということを学んだ。

 

40億巻感想

40億巻の新情報といえば、なんと言ってもシャンクスがロジャーの船にいた経緯ですね。劇中のウタと同じようにロジャーの船に拾われたようです。子供は宝ともいうので、命がけの戦闘の場合は宝箱に隠すのでしょうか。

映画の補足として知りたかった情報としては、ウタが敵とわからせるために衣装チェンジをしていたということ。ウタがルフィ達の衣装を変えた意味が分からなかったのですが、映画の演出として無理やり納得させていました。言ってしまえばウタ側の勢力はウタしかいないわけで敵味方の判断なんかあったものじゃないですが。

 

後記

そもそもあまり期待せず見た作品でしたが、良くも悪くもかなりAdoの色が強い作品となっていました。今作はあまり戦闘に重きを置いていなかったので、物足りなさは感じてしまいました。たくさんのキャラクターを出すのも、スタンピードと比べて中途半端ですし、メインキャラの活躍を減らすだけだったようにも思います。それはそれとして、初出し情報もいくつかあり、今後の原作での展開が楽しみになる作品でした。最終章に入るということで、今後の展開からは目が離せません。