映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!【感想】

映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!を見てきたので感想を書きたいと思います。また、Filmarksにも同文を掲載しています。

 

映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!
トロプリの単独映画だが、前作に吹き続きゲストプリキュアとして、ハトプリが参加している。前作では先輩プリキュアとして、戦闘を助けてもらった印象があるが、今作では、戦闘以前に出会い、友人として親交を深めていった印象を受けた。欲を言えば必殺技を決める時くらいは、遠距離からの手助けではなく一緒にいて欲しかったが、通常パートも十分にあり、おおむね満足している。オマージュやハトプリが元ネタになっているものは、未視聴のためここでは割愛する。
物語は、シャロンが目覚め、ホロンがゲストを求めてあおぞら市に来るところから始まる。戦闘中だったトロプリ勢が、開幕一分ほどで必殺技バンク、ランドビートダイナミックで、このテンポ感に安心すら覚えた。4人はホワンやシャンティアに興味深々なのに対して、あすか先輩だけはやれやれといった風だったり、行きの電車内での席決めなど、それぞれの個性がわかりやすく説明されていてよかった。シャンティアにつき、初めての雪に興奮する真夏の対してあすか先輩が「寒いって知ってるか」と煽り交じりで言っていたのも、まなつの育ちをうまく表現できていた。
本作は、雪のプリンセス、シャロンとの話ということもあり、ローラが主人公のようであった。本編でもこのような構図になっているが、みのり、あすか、さんごの三人がわき役となってしまっているのがもったいなく感じる。ただ、主人公さながら、シャロンを救うきっかけがローラの発言であり、あくまで「いってやりたいことがあるの」というのが目的で、倒すことが目的ではないという優しさがあった。アニメシリーズではギャグパートにも使われるローラの自信家なところも、うまく作用していた様に思う。特殊必殺技も巨大なこぶしを出すが殴らないという演出にも一貫性がある。必殺技発動時の謎の女性や、おしりパンチ、プリキュアクロスキックはおそらくハトプリのものだろう。
オマージュで言えば、シャロンが暴走し部屋が崩れ、煙の中からローラとまなつが脱出するシーンが、初代のOPのオマージュになっていてよかった。また、最後に歌を披露したショッピングモールに、ヒープリの三人も見に来ていた。
本作の注目すべき点といえば、変身バンクだろう。トロプリ勢ハトプリ勢合わせて、全員分の変身バンクをフル尺での披露となった。劇場版でここまでの尺を使うのは稀であるし、賛否はあると思うが、普段Tverの画質で見ている側からすると、とてもありがたい演出であった。
そして、本作の最も語るべき点とすれば、歌を語り継ぐということだろう。作中ではローラが、この歌を語り継ぐと宣言していたし、実際にショッピングモールでも披露していた。これによって、グランオーシャンだけでなく、人間の世界でもこの歌は広まり、シャンティアの存在の証が受け継がれていくことになる。また、視聴者である私たちがこの歌を忘れない限り、シャンティア王国は消えずに、私たちの中に残り続けるのだ。こういった視聴者参加型ともいえる、新しい形の映画を見られたことをうれしく思う。

トロプリらしさがありつつハトプリ勢も活躍するいい映画だったと思います。次回作も楽しみですね。